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短い怖い話「呪われた美術館」【第一弾】

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そんなある日、大学の歴史研究クラブの学生、三島は友人たちと共にこの美術館に挑むことに決めました。彼らは歴史と超自然現象に興味があり、美術館の真相を解明したかったのです。早速、彼らは一行で美術館へと向かいました。

彼らが美術館に到着すると、薄暗い入り口が彼らを迎えました。壮大な古い建物は荒れ果てており、壁には苔が生え、窓は全て閉ざされていました。でも、彼らはそれを見ても、逆に冒険心をくすぐられたのです。

中に入ると、美術館は想像以上に広く、多くの展示室が連なっていました。彼らはまず、通常の絵画や彫刻を見学し始めました。しかし、三島は他の部屋に引き寄せられるような感覚に取り憑かれました。その部屋のドアには、「禁止区域」という文字が書かれていました。

彼は友人に声をかけ、その部屋に向かいました。扉を開けると、そこには一枚の大きな絵が掛けられていました。その絵は「永遠の哀歌」という名前で、女性が月夜に泣いている様子を描いていました。その女性の表情は非常にリアルで、彼女が今にも画から飛び出してきそうだった。

その絵画を見つめていると、彼はふと身体が冷えてきたことに気付きました。さらに、彼の頭の中には哀しげな女性の声が響き渡り、耳元で囁いているかのように感じました。彼は怖さに身体が震え、その場から逃げ出そうとしました。

しかし、その瞬間、絵画の女性の目が三島を直視するようになりました。そして、三島の耳元でささやいた言葉は「私を解放して」というものだった。その声は絶望と悲しみに満ちており、三島の心は深い恐怖に包まれました。

彼は絵画から目を離し、必死に部屋から出ようとしました。しかし、ドアは固く閉じられており、どうやっても開きませんでした。彼は助けを求めて叫びましたが、他の部屋からは何の反応もありませんでした。

彼の心の中には絶望と恐怖が広がり、意識が遠のいていきました。その時、彼の脳裏には絵画の女性の声が響き渡りました。「私を解放して……」その言葉が彼の心を完全に覆いました。

三島の友人たちは、彼がどこにいるのか探し始めました。そして、彼が消えた「禁止区域」の部屋を見つけると、そこには三島の姿は無く、ただ一枚の絵画だけが残されていました。

その絵画は「永遠の哀歌」。しかし、以前に描かれていた泣く女性の代わりに、三島の顔が描かれていました。彼は絶望的な表情を浮かべ、月夜に向かって叫んでいるように見えました。

友人たちは三島を探し続けましたが、彼の姿を見つけることはできませんでした。美術館の中には彼の存在がなく、唯一の証拠は「永遠の哀歌」の絵画だけ。

それ以降、美術館はさらに恐ろしい場所とされ、誰も近づこうとはしませんでした。その中に閉じ込められた三島の姿は、語り継がれる都市伝説の一つとなり、美術館の呪いと恐怖を人々に伝え続けています。

そして、今でも月影美術館の「禁止区域」の部屋では、絵画「永遠の哀歌」が展示されています。その絵に描かれた三島の表情は、絶望と悲しみに満ち、訪れる者たちに深い恐

怖さを植え付けます。そして、彼が消えてからの毎年、その特定の夜になると、美術館の周りからは三島の声が聞こえると言われています。「私を解放して」というその声は、美術館の周囲を歩く人々にまで響き、彼の哀しみが絶えず感じられるのです。

ある夜、三島が消えてから一年後の日、彼の友人の一人、織田が自分だけで美術館に向かいました。彼は三島の友人として、何か解決策を見つけることができると信じていました。そして、彼は「禁止区域」の部屋に入り、「永遠の哀歌」の前に立ちました。

絵画の中の三島が絶望的に叫んでいる姿を見つめながら、織田は泣きました。「三島、君を解放したい。だけど、どうすればいいの?」と彼は尋ねました。すると、絵画の中の三島がゆっくりと動き始め、口を開いたかのように見えました。

「絵を描き直せ……」という声が彼の心に響きました。織田は驚き、その場から逃げ出そうとしましたが、彼は立ち止まり、三島を見つめ続けました。そして、彼は決意を固めました。彼は美術部の部員でもあったので、描くことは得意でした。

織田は必死になって絵を描き始めました。彼は三島の姿を再現し、絶望的な表情をやさしい笑顔に変えました。そして、彼は月夜の背景を暖かい日差しに描き換えました。

彼が絵を描き終わったとき、絵画は輝きを放ち、一瞬、全てが明るく照らされました。そして、絵画は再び元の状態に戻りましたが、絵の中の三島の姿は消えていました。

その瞬間、美術館の中に風が吹き抜け、織田の足元には一枚の紙が落ちました。その紙には、三島の字で「ありがとう、織田。」と書かれていました。

それからというもの、美術館には再び普通の訪問者が戻り始めました。呪われた「永遠の哀歌」の話は町の伝説として語り継がれ、絵画は再び美術館の一部となりました。ただし、この時からその絵は美術館の中で最も明るい場所に展示され、訪れる人々を歓迎するようになりました。

そして、織田が描いた新しい「永遠の哀歌」は、新たな希望と友情の象徴として美術館の中で最も人気のある作品となりました。美術館は再び活気を取り戻し、その中で一番人気の絵は、かつての呪いを解き放った友情の証として、訪れる全ての人々にその歴史を伝え続けています。

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